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世界初の黒蝶真珠養殖に成功した工場で、黒真珠の核入れ見学・貝洗い体験 part1

島を知る・感じる・ふれあう!をテーマに、19離島の体験プログラム事業である「島あっちぃ」
 
地元のコーディネーターの方に案内してもらいながら、島々で異なる個性豊かな自然環境、文化、歴史など、たくさんの魅力に出会い、そして何といっても人々と交流するのがこの度の醍醐味。
 
今回は「世界初の黒蝶真珠養殖に成功した工場で、黒真珠の核入れ見学・貝洗い体験」のリポートをお届けします!
 
【石垣島・川平で歴史を誇る、幻の真珠・黒蝶真珠】
石垣島は、那覇空港から飛行機で60分。面積は沖縄本島・西表島に次いで県内では3番目に大きく、人口は約5万人。
本土の主要都市や台湾・香港とも直行便が出ているので、国内外の観光客から人気のスポットです。
 
そんな石垣島の中でも、島民をもして「リゾート地」だと口を揃えるのは、島の北西にある川平湾。
晴天に恵まれた空の色を反射するかのような、見渡す限り広がる青のグラデーション。この川平の海で、昭和21年から続いている南洋のクロチョウガイを用いた真珠の養殖。世界でもタヒチと、ここ石垣島でしか成功していない貴重な黒蝶真珠は、その希少価値から「幻の真珠」と呼ばれています。
 
川平湾の景色を観に訪れる観光客はたくさんいますが、石垣の古い集落であるにも関わらず、その歴史や文化にまで触れてもらえることができない、という課題があります。
 
今回の島あっちぃ事業では、川平が自然が生んだ真珠体験を通し、数日間滞在して島の人々と交流してもらい、掘り下げた川平を知ってもらいたい、との目的があります。

 
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幼生飼育から稚貝の育成を、徹底した管理のもと人工で行い、海域で3~4年掛けて真珠を作り出す母貝に成長させます。今回はその母貝に、真珠の芯の部分に当たる核を入れる作業と、貝が捕食しやすいように表面を磨いてあげる貝洗いの体験を行いました。

 
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真珠ができる工程を説明してくれたのは、琉球真珠株式会社の専務である仲野英則さん。
真珠は、貝の生殖巣という組織にて作られます。この中に、真珠の元となる、炭酸カルシウムを分泌する外套膜の細胞を付着させた核を入れるのですが、この作業が繊細で高度なテクニックが求められるんです!核がこぼれない程度に組織を薄く切る技術や、組織構造を熟知している必要があり、「一人前になるには4~5年の時間は必要かもしれませんね」というほど…

 
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参加者のみなさんは、これを聞いて半ばお手上げ状態になりかけましたが、ここは前向きに「楽しむ」ということに目標を切り替えることに。工場に人たちに丁寧にアドバイスを受けながら核入れに挑戦します。

 
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狭い隙間の中を、ピンセットとメスを使ってミリ単位での作業。参加者のひとりは「真珠ができるまでの長年の工程を教えられた後だったので身が引き締まりました」と感想を話しました。

 
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この核入れを終えて、さらに2年間海の中で育てられて、黒蝶真珠が作り上げられます。さらに綺麗な真球に近い形をしているものは50%程度。さらには、広げてみなけりゃ分かりません。「黒くて緑掛かって七色に輝いている」と賞賛されている由縁はこの手間ひまにあるわけですね。

 
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